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武久 正昭; 伊藤 均
Food Reviews International, 2(1), p.19 - 44, 1986/01
ここでは日本国内での食品照射研究と実用化の経験と現状について報告する。1967年に原子力委員会は食品照射特定総合研究を発足させ、馬鈴薯,玉ねぎ,米,小麦,ウィンナソーセージ,カマボコ,みかんが取り上げられた。この研究で馬鈴薯照射が実用化となり、価格の安定化に貢献した。しかし、照射食品の反対運動が起り食品照射研究は後退をよぎなくされた。玉ねぎなど残りの品目についても健全性が照明されたが、法的許可は馬鈴薯だけとなっている。特定総合研究は1982年に終了したが、原研や食品総合研究所,国立衛生試験所などで基礎研究が継続して行われており、興味ある成果が得られつつある。現在、日本国内で最も重要な課題は国民の照射食品に対する心理的不安感を克服することが実用化の上で必要なことのように思われる。